仕事が終わって家に帰るとへとへと。毎日辛い
周りの人は普通に働いているのに、自分は毎日ぐったり。
自分が弱いせいなのかな?
そう思って落ち込んでしまっていませんか?
その辛さの理由は、あなたが弱いからではありません。
HSP(Highly Sensitive Person)の特性を持つ人は、他の人よりも刺激に敏感で、環境から影響を受けやすい傾向があります。
そのため、自分に合わない環境で働くと、人よりも疲れやすくなってしまうのです。
でも、悲観する必要はありません。
環境から影響を受けやすいということは、良い環境であれば、良い影響も受けやすいということでもあります。
この記事では、HSPさんが仕事で辛くなる理由と、その対処法、そして向いている仕事・向いていない仕事について詳しく解説します。
- HSPさんが仕事で辛くなる理由
- HSPに向いていない仕事の特徴
- HSPに向いている仕事の特徴
- おすすめの職種・業界
- 仕事を楽にするための具体的な対処法
HSP(Highly Sensitive Person)とは?
HSPとは、「Highly Sensitive Person(非常に敏感な人)」の略で、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念です。
HSPは病気や障害ではなく、生まれ持った気質です。人口の約15〜20%がHSPの特性を持つと言われています。
HSPの主な特徴
HSPの特徴は、DOESという4つの要素で説明されます。
D:Depth of processing(深く処理する)
- 物事を深く考える
- 一つのことをじっくり考え込む
- 慎重に判断する
O:Overstimulation(刺激を受けやすい)
- 音、光、匂いなどに敏感
- 人混みや騒がしい場所で疲れやすい
- 感覚的な刺激に圧倒されやすい
E:Emotional reactivity and high Empathy(感情的反応が強く、共感力が高い)
- 他人の感情に影響されやすい
- 共感力が高く、相手の気持ちを深く理解できる
- 映画や本に感情移入しやすい
S:Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知する)
- 小さな変化に気づきやすい
- 細かいことに気がつく
- 他人が気づかないような違いを感じ取れる
HSPの診断について
HSPかどうかチェックする方法はいくつかあり、代表的なチェックリストは、HSPの提唱者である、アーロン博士が作成したものです。
「自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ」
「一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ」 など27項目で構成されています(Aron,1996)。
14以上の質問に「はい」であればおそらくHSPと言われています。
以下のサイトから日本語訳されたチェックリストが見られます。
Are You Highly Sensitive? (coocan.jp)
HSPさんが仕事で辛くなる理由
HSPさんが仕事で辛くなる理由は、主に以下の4つです。
1. 職場の人間関係
繊細なHSPさんにとって、人間関係は働きやすさを大きく左右します。
- 否定ばかりする上司
- 冷たい態度の同僚
- 愚痴や悪口が多い職場
- ギスギスした雰囲気
また、共感力が高いHSPさんは、自分ではない誰かが怒られている場面を見るだけでもストレスを感じます。
「職場で同僚が怒られていると、自分も緊張して仕事が手につかなくなる」という経験、ありませんか?
これは、あなたが弱いわけではなく、HSPの特性によるものです。
2. 環境の刺激が多すぎる
HSPさんは、環境からの刺激に敏感です。
- オフィスの騒音(電話の音、話し声)
- 明るすぎる照明
- 多くの人の話し声が同時に聞こえる
- 人の出入りが多い
- エアコンの温度が合わない
「周りの音が気になって業務に集中できない」「隣の人の話し声が気になって仕方がない」といったストレスが、日々積み重なっていきます。
ゆるこ私も、周りの話し声が気になって業務に集中できないことがよくありました。
3. 仕事内容が合わない
環境から影響を受けやすいHSPさんにとって、自分の特性に合わない仕事をしていると、より疲れてしまいます。
- クレーム対応が多い
- ノルマが厳しく、過度なプレッシャーがある
- 人前で注目されながら作業をする
- マルチタスクが求められる
- スピード重視で、丁寧さよりも効率が求められる
もちろん個人差はありますが、これらの仕事が苦手だと感じるなら、それは「あなたの能力が低い」のではなく、「あなたの良さが活かしきれていない」可能性があります。



私は前職でクレーム対応が多く、毎日かなり疲弊していました。
「自分は仕事ができない」と思っていましたが、転職して環境が変わると、驚くほど働きやすくなりました。
4. 仕事が溜まって疲れてしまう
HSPさんの良いところは、慎重で、一つのことをじっくりと考えられ、丁寧な仕事が得意なところ。
その分、適当に仕事を進めることが難しいですよね。
細かいところに気がつき、妥協ができないからつい仕事が溜まってしまう。
そして、誠実で責任感がある人が多いので、「ちゃんとやらなきゃ!」と思い、他人に頼ることができずに頑張りすぎてしまいます。
どんどん仕事が溜まってストレスが積み重なり、辛くなってしまう。
そしてまた仕事が溜まるという負のループに陥ってしまうこともあります。
HSPに向いていない仕事の特徴
HSPの特性を理解した上で、どんな仕事が向いていないのかを知っておくことは、仕事選びやキャリアの方向性を考える上で重要です。
以下の特徴に複数当てはまる場合、その仕事はHSPさんにとって負担が大きい可能性があります。
無理をせず、別の選択肢を検討する価値があるかもしれません。
ノルマが厳しい仕事
理由:
- プレッシャーに弱い
- 数字に追われるストレスが大きい
- 達成できないと強く自分を責めてしまう
- 営業職(特にBtoC営業)
- 保険の営業
- 不動産営業
- 金融業界の営業
クレーム対応が多い仕事
理由:
- 他人の感情に影響されやすい
- 怒りや不満の感情を受け止めるのが辛い
- クレーム対応後も引きずってしまう
- コールセンター
- カスタマーサポート
- 保険業界の損害サービス
- 接客業(特にクレームが多い業種)
マルチタスクが多い仕事
理由:
- 一つのことに集中したい
- 複数のことを同時に進めるとパンクする
- 優先順位をつけるのが苦手
- 飲食店のホールスタッフ
- 受付業務
- 秘書
- イベント運営
人前に出る機会が多い仕事
理由:
- 注目されるのが苦手
- 緊張しやすい
- 人前で話すと疲れる
- プレゼンが多い営業職
- 講師・教師
- 司会業
- 接客業(特に高級店)
騒がしい環境での仕事
理由:
- 音に敏感
- 集中できない
- 刺激が多すぎて疲れる
- オープンオフィスでの仕事
- 工場
- 飲食店
- イベント会場
スピード重視の仕事
理由:
- じっくり考えたい
- 慎重に進めたい
- 丁寧さを犠牲にするのが苦手
- ファストフードの調理
- ライン作業
- 短納期のデザイン・制作
HSPに向いている仕事の特徴
次に、HSPの特性を活かせる、向いている仕事の特徴を見ていきましょう。
HSPさんは、深く考えることができ、細かいことに気がつき、丁寧な仕事が得意です。
これらの強みを活かせる環境を見つけることができれば、驚くほど働きやすくなります。
一人で集中できる仕事
理由:
- 自分のペースで進められる
- 刺激が少ない
- 深く考えることができる
- プログラマー・エンジニア
- Webデザイナー
- ライター・編集者
- データ入力・事務職
じっくり考えられる仕事
理由:
- 深く考えることが得意
- 慎重に判断できる
- 細かいところまで気がつける
- 研究職
- 企画職
- マーケティング(分析系)
- コンサルタント
丁寧な作業が求められる仕事
理由:
- 細かいことに気がつく
- 丁寧に仕事ができる
- ミスが少ない
- 校正・校閲
- 経理・財務
- 品質管理
- 図書館司書
リモートワークが可能な仕事
理由:
- 自宅で落ち着いて働ける
- 通勤のストレスがない
- 自分で環境を整えられる
- IT系の仕事全般
- Webデザイナー
- ライター
- オンライン講師
人間関係が穏やかな職場
理由:
- ストレスが少ない
- 安心して働ける
- 感情に左右されにくい
- 少人数の職場
- リモート中心の職場
- 穏やかな社風の企業
自分のペースで進められる仕事
理由:
- 焦らずに済む
- じっくり考えられる
- 自分の時間をコントロールできる
- フリーランス
- 在宅ワーク
- フレックスタイム制の職場
HSPにおすすめの職種・業界
「向いている仕事の特徴は分かったけど、具体的にどんな職種があるの?」
と思った方のために、HSPさんにおすすめの職種・業界を紹介します。
これらはあくまで一例ですが、転職活動や今後のキャリアを考える際の参考にしてください。
IT系
おすすめの職種:
- プログラマー・エンジニア
- Webデザイナー
- データアナリスト
- リモートワーク可能な企業が多い
- 一人で集中して作業できる
- じっくり考えることが求められる
- 論理的思考が活かせる
クリエイティブ系
おすすめの職種:
- ライター・編集者
- グラフィックデザイナー
- イラストレーター
- 動画編集者
- 自分のペースで進められる
- 丁寧な作業が求められる
- フリーランスも可能
- 感性を活かせる
事務職
おすすめの職種:
- 一般事務
- 経理・財務
- 総務
- 人事(労務管理)
- 定時で帰りやすい
- ルーティンワークが多い
- 落ち着いた環境
- 丁寧な作業が求められる
専門職
おすすめの職種:
- 研究職
- 図書館司書
- 翻訳者
- カウンセラー・心理士
- 専門性を活かせる
- 落ち着いた環境
- 深く考えることが求められる
- 共感力を活かせる(カウンセラー)
その他
おすすめの職種:
- 品質管理
- 校正・校閲
- バックオフィス全般
- 細かいことに気がつく力が活かせる
- 丁寧な作業が求められる
- 落ち着いた環境
HSPの人が仕事を楽にするための対処法
向いている仕事を見つけることも大切ですが、今の仕事を続けながらできる対処法もあります。
自分の限界を理解する
自分がどの程度の刺激やストレスに耐えられるかを理解し、それを超えないようにすることが大切です。
以下の事を考えてみましょう。
- 苦手なこと
- 苦手な環境
- 元気な時は何をしているか
- ストレスが溜まったとき、疲れたときはどういう行動・状態になりやすいか
特に、元気なときと、疲れたときの違いを理解しておくことが大切。
疲れたときの状態が数日続いている場合、疲れが解消できておらず溜め込んでしまっていることに気付けます。



自分がどういう性格で、どういう価値観を持っているかを知っておくことも大切!
自己分析ツールを使って調べてみるのもゲーム感覚で楽しいです♪
自己分析ツールを活用する
自分の性格や価値観を知ることも重要です。
無料の自己分析ツールを使って、ゲーム感覚で調べてみるのもおすすめです。
ミイダスでは、無料で以下のことが分かります:
- 自分の市場価値(想定年収)
- 強み・弱み
- ストレス要因
- 向いている職種
転職を考えていなくても、自己理解を深めるために活用してみましょう。
環境を整える
自分にとって快適な環境を整える工夫をしてみましょう。
- 音が気になる→ノイズキャンセリングイヤホン・ヘッドホンを使用
- 照明が気になる→座席を変えて、ちょうど良い場所に移動
- 在宅勤務が可能→できる限り在宅勤務をさせてもらう
- パーテーションを設置→視覚的な刺激を減らす
職場でどの程度認めてもらえるかは会社によって異なりますが、自分の苦手な環境を理解し、それを変えられないか工夫してみましょう。
ゆっくり休む
仕事のストレスで疲れを感じている場合、きちんと休むことが大切です。
適度な休息をとり、リフレッシュしましょう。
もしストレスを抱えすぎて体調に影響が出ている場合は、早急に対処する必要があります。
上司に伝え、数日間休ませてもらったり、業務量を調整してもらうことも考えましょう。
勇気がいることですが、一番避けるべきなのはあなたが倒れてしまうことです。
会社としても、倒れて人が欠けてしまうくらいなら、少しの期間業務を調整して元気に働いてもらった方が良いはずです。
転職活動をしてみる
仕事が辛いと思っている場合、転職活動をしてみることをおすすめします。
実際に転職をする必要はなく、「転職活動」だけならいつでもできます。
なぜ転職活動をすべきなのか?
仕事が辛いと思っているとき、「ここにしかいられない」と思うと、より辛くなってしまいます。
他の世界を見てみて、自分にはこの場所以外の選択肢もあるのだと実感することで辛さが和らぎます。
結果的に、他と比べて今の会社がよいと思う場合もあります。
おすすめの転職エージェント
doda
- 転職サイト+エージェント一体型
- 自分で求人を探しつつ、エージェントのサポートも受けられる
- HSPに合った「リモートワーク」「残業少なめ」などの条件で検索できる
リクルートエージェント
- 求人数No.1
- 幅広い業界・職種から選べる
- 書類添削・面接対策が充実
詳しい比較については、以下の記事も参考にしてください。


サポートを求める
自分ひとりで対処するよりも、他人を頼ったほうがスムーズなこともあります。
会社に相談する
職場環境を変えるための直接的な方法は、会社に相談すること。
あなたが負担や不満を感じていることを伝えることで、何らかの調整をしてもらえる可能性があります。
すぐに全てが解決するとは限りませんが、何もせずに辛い思いを続けるよりも、少しでも改善されるよう、主張してみましょう。
- 人間関係→業務担当の調整、人事異動
- 仕事内容→異動希望、業務内容の調整
- 業務量→業務量の調整
上司に直接伝えづらい場合は、産業医や人事など、その他相談できる先がないかどうかも調べてみるとよいでしょう。
心療内科への受診
HSPは特性であり病気ではありませんが、仕事がつらいことで体調に影響が出ている場合、無理せず心療内科へ受診することをおすすめします。
早期に対処することで、回復も早くなります。
- なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める
- 食欲がない
- 深い落ち込みが続く
- ふとした時に涙が出る
少しでも異変を感じたら早めに受診し、治療しましょう。
カウンセリングの利用
病院を受診するほどではない、ハードルが高い、といった場合、カウンセリングを利用してみることもおすすめです。
身体をメンテナンスするのと同じで、心もメンテナンスが必要。
じっくりと話を聞いてもらうことで、自分の考えを整理できたり、自分にどういう特性があってどう考えていけばよいかなど、健康に働くヒントを得られるかもしれません。
カウンセラーは誰でも名乗れてしまうものなので、「臨床心理士」「公認心理士」といった、専門的な資格を所持している人を選ぶことをおすすめします。
キャリアコーチングを利用する
「自分に向いている仕事が分からない」「転職すべきか迷っている」という場合、キャリアコーチングを利用するのもおすすめです。
転職エージェントとは異なり、求人紹介が目的ではなく、あなたのキャリアそのものを一緒に考えてくれます。
キャリート
- 初回60分の無料体験あり
- 「自分に向いている仕事は何か」を一緒に考えてくれる
- HSP気質の方の相談実績も豊富
ポジウィル
- キャリアコーチング業界No.1
- 自己分析から転職まで、トータルでサポート
まずは無料体験を受けてみて、プロの意見を聞いてみるのも良いでしょう。
家族、友人に相談
相談できる身近な人がいる場合、深く考えすぎずに相談してみましょう。
業務内容の詳細の理解までは難しいかもしれませんが、あなたのことを思って親身に聞いてくれるはずです。
他人を優先しがちなHSPさんは、
「自分のことを相談したら相手を困らせるのでは」
と思うかもしれませんが、もし相手が同じように相談をしてくれた際、あなたは困りますか?
真剣に相手の話を聞き、どうにか助けになりたいと思うのではないでしょうか。
きっと相手も同じです。
話していく中で、自分はこうしたい、という考えが出てくるかもしれません。
まとめ│HSPは弱さではなく、特性
HSPさんが仕事を辛く感じる理由は、環境や人間関係、仕事内容など様々です。
しかし、HSPは弱さではなく、一つの特性です。
- 深く考えることができる
- 細かいことに気がつく
- 丁寧な仕事ができる
- 共感力が高い
- 感性が豊か
これらの強みを活かせる環境を見つけることができれば、HSPさんは驚くほど働きやすくなります。
大切なのは:
- 自分の特性を理解すること
- 向いていない仕事を避けること
- 向いている仕事を見つけること
- 環境を整えること
- サポートを求めること
無理をして自分に合わない環境で頑張り続ける必要はありません。
あなたの特性を活かせる場所は、必ずあります。この記事が、あなたが自分らしく働くための一助となれば幸いです。
HSPを学ぶなら、こちらの書籍がおすすめです。

















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