メンタル不調で休職しているときに多くの方が直面する悩みが、
復職するか、転職するか
筆者自身も損保勤務時代に数か月休職し、「元の職場に戻るべきか、新しい道を探すべきか」と自問自答を繰り返しました。
この記事では、休職~復職~転職を経験した立場から、復職か転職かで迷う理由、両者のメリット・デメリット、後悔しないための判断基準を整理します。
今悩んでいる方にとって、少しでも判断のヒントになれば幸いです。
復職と転職で迷ったときに一番大切なこと

考える前にまずお伝えしたいのは、「焦らないこと」です。
- 「同僚は働いているのに自分だけ取り残されている」
- 「転職するなら早く動かないと」
休職中はこんな不安を抱きがちです。
しかし、焦りは体調の回復を妨げ、復職も転職も中途半端になりかねません。
メンタル不調は数週間で治るものではなく、時間をかけて回復していくものです。
今はゆっくりと自分と向き合い、これからの人生を幸せに生きるための心身の準備期間と考えましょう。
復職か転職か、を考えるのは、体調が回復し、仕事のことを考えられる状態になってからにしましょう。
主治医や専門家に相談しながら、仕事について考えるタイミングを見極めることをおすすめします。
休職中に復職か転職かで迷う理由
休職中は心身を休める時間であると同時に、将来を考える時間でもあります。
その中で迷いが生じる背景には、いくつか共通する要因があります。
体調が完全に回復していないor再発の不安
メンタル疾患は「完治」という状態が難しく、ほとんど症状のでない「寛解」であっても、再発の可能性と隣り合わせです。
「もう大丈夫」と思えない状態で復職すれば、再発のリスクが高まります。
元の仕事に戻ることで、再発するのではないかと不安を抱くのも無理はありません。
職場環境への不信感やトラウマ
人間関係のストレスや業務内容が原因で休職した場合、同じ職場に戻ること自体が恐怖に感じられることもあります。
筆者自身、業務内容のストレスにより休職に至ったため、この不安が常にありました。
「また同じ思いをするのでは」という不安は簡単には拭えません。
キャリアの先行きへの迷い
「このまま今の会社にいてよいのか」
「別の道に進むべきではないか」
というキャリアへの疑問は、休職をきっかけに強まります。
一度立ち止まった今こそ、方向転換をしたほうがいいのでは?と考える人も少なくありません。
復職と転職のメリット・デメリットを比較する
それではまず、それぞれのメリット、デメリットを考えてみましょう。
どちらを選んでも一長一短があります。
復職のメリット・デメリット
復職には、安心感と不安が混在します。
復職のメリット
- 新しく業務を覚える必要がない
- 会社の仕組みを理解している
- 人間関係を一から構築しなくていい
- 収入が安定している
復職のデメリット
- ストレスの原因が改善されない場合、再発の恐れがある
- 周囲の目が気になる
- 気まずさを感じる
転職のメリット・デメリット
転職には新しい可能性が広がる判明、不確実さも伴います。
転職のメリット
- 今のストレス源から離れることができる
- ストレスの少ない働き方を選びなおすことができる
- キャリアの幅が広がる
転職のデメリット
- 新しい職場が自分に合うとは限らない
- 収入が不安定になる可能性がある
- 転職活動自体にエネルギーが必要
後悔しないための判断基準

迷いを整理するには、いくつかの視点を持つことが大切です。
メンタル不調の原因を振り返る
復職した場合、不調の原因が改善されていなければ、再発する可能性があります。
どこに原因があったのかを整理したうえで、改善の可能性はあるのかを考えてみましょう。
- 人間関係が原因 → 異動や配置転換で改善できる?
- 業務内容が原因 → 別部署や新しい担当に変われる?
- 労働環境が原因 → 時短勤務や在宅勤務の制度はある?
会社により、元の職場にしか復帰できない場合や、逆に異動させられる場合もあるため、人事に確認するとよいでしょう。
ストレス要因から解放される可能性があり、それで自分が働きやすくなる希望がある場合は、復職を前向きに考えられるかもしれません。
仕事に対する優先順位を決める
自分はどんな働き方を望んでいるのかを整理してみましょう。
- 安定した収入
- 働きやすさ
- 福利厚生
- やりがい
- 人間関係
これらを紙に書き出し、100%になるように割合をつけてみましょう。
人によって優先するものは異なります。
優先度が高い条件が今の会社では満たせない場合、転職が近道かもしれません。
向き・不向きを自己分析する
復職しても、転職しても、長く働き続けるには、「自分に合った仕事」を知ることが欠かせません。
- 得意なこと、楽しいと感じること
- 苦手でストレスになりやすいこと
これらを整理することで、自分に合う働き方が見えてきます。
自分だけで判断が難しいときは、周囲に聞いたり、自己分析ツールを活用するなど、自分以外の力を借りることで考えやすくなりますよ。
私は「ミイダス」のツールを利用し、回答するだけで自分の強みや働く上での特徴を知ることができ、とても参考になりました。
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転職活動を試してみるのも有効

「転職すべきか迷う」段階では、実際に求人を調べたり、転職エージェントに相談してみるだけでも大きな気づきがあります。
様々な転職をサポートしてきた人から見て、自分はどのような仕事が向いているのか。
また、自分がやってみたい仕事に就くためには今どういった勉強をしておけばいいのか等、アドバイスをいただくこともできます。
自分の優先順位や、復職・転職のメリットデメリットを共有し、第三者の目線から助言を求めることもいいかもしれません。
求人を調べてみる場合
求人を見てみるのに適しているのは、リクナビNEXT。
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私も実際に悩んでいるときに眺め、他にどのような選択肢があるのか考える手助けになりました。
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転職エージェントに相談してみる場合
私はいくつか転職サービスを利用しましたが、最初に利用するならdodaがおすすめ。
自分で検索して応募も可能ですし、エージェントから紹介も受けられ、一石二鳥です。
まずはどのような求人があるのか調べてみたり、エージェントに相談してみるだけでも始めてみると、選択肢が広がりますよ。
その他のエージェントはこちらの記事で比較しています。

一旦復職してから転職を考える選択肢
「復職してから転職を検討する」という柔軟な方法もあります。
メリットは以下の通り。
- 復職直後は短時間勤務や軽めの業務からスタートできることがある
- 復職してから転職を決めれば後悔が少ない
もとの会社を利用し、ゆっくりと働く感覚を戻していくことも立派な戦略です。
復職してみて、「やはり無理だ、転職しよう」と思えば転職をすればよいのです。
私の例

最後に、私の実際の体験談をお話しします。
私が休職に至った経緯
私のメンタル疾患の原因は業務内容にありました。
新卒で入社した損害保険の会社で、大量の事案を抱えながらお客さまや相手方、代理店から厳しい言葉を受ける日々。
ストレスを解消しきれず、ついに医師の判断で休職となりました。
休職か復職かで悩んだ日々
休職して2ヶ月ほどで、日常生活には支障なく過ごせるようになりました。
しかし体調が落ち着いてくると、次に出てきたのは「今後どうするか」という不安です。
転職するなら早く動かなければ、という考えがあり、復職するか転職するかの結論を早く出すべきだと、焦っていました。
主治医からは、「気楽に考えたらいい」と言われたものの、一度休職したか自分にはもう失敗できない。
そう思い込み、余計に不安が膨らんでいました。
ハローワークでの気づき
焦る気持ちに駆られ、ハローワークへ相談に行きました。
家に籠っているのも辛くなり、誰かにアドバイスをもらいたかったのです。
職員の方がとても親身になり、1時間以上相談に乗ってくださりました。
自分の仕事に対する優先度、復職・転職のデメリットなど、一人で考えていたことを第三者から見てどう思うのか。
その中で一番印象に残った言葉が、
「焦らなくていいと思いますよ」
まだ私が20代だったこともあるかもしれませんが、おそらく私がとても焦っていることが伝わったのでしょう。
さらに、こんな提案もありました。
「復職してみてから、転職を考えるのでも遅くないんじゃない?」
当たり前のようで、自分では考え付かなかった視点でした。
転職するならすぐ動かないと、という焦りや、一度復職したらずっと続けないといけないという偏った考えも原因だと思います。
そうか、今の会社にまだ可能性があるのなら、いったん復職してみたらいいのか。
今後別の部署に異動できれば自分の理想とする働き方を叶えられるかもしれない。
あと1年だけ頑張り、無理だと思ったら潔く辞めよう。
そう決めました。
一旦復職してから転職を選んだ結果
再発防止のためリワークに通い、自分の考え方の癖や、自分にとって働きやすい考え方を学び、復帰への準備を進めました。
復職してしばらくは軽い業務から始められ、徐々に体力や集中力を取り戻していけました。
しかし業務量が増えていくにつれ、再び辛さを感じるようになりました。
そのとき思ったのです。
「このまましがみついて転職しない方がリスクだ」。
一度復職したからこそ、「転職しなければよかった」という後悔を懸念することがなく、潔く転職することができました。
あくまでこれは私の例ですので、最適な方法は人それぞれだと思います。
少しでも、考える際のヒントになれれば幸いです。
まとめ|焦らず選択すれば大丈夫
休職中に復職か転職かで迷うのは自然なことです。
重要なのは、
- 焦らないこと
- 不調の原因を見極めること
- 自分の優先順位を明確にすること
- 第三者の力を借りること
復職も転職も、正解は人によって異なります。
大切なのは「自分で納得して決めたかどうか」です。
焦らず、自分のペースで進めていきましょう。
同じ悩みを持っている方が、これからの人生を幸せに生きられることを願っています。



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