損サに配属されたけど、どんな仕事か不安
きついと聞くけれど、自分はやっていけるのだろうか
損保会社に入社して損サ(損害サービス・損害サポート・保険金サービス)に配属が決まったとき、このような不安を感じる方は多いと思います。
私自身、新卒でメガ損保に入社し、損サで働いた経験があります。
配属当初は右も左も分からず、不安だらけでした。
この記事では、損サの仕事内容・きつい理由・乗り越え方を実体験をもとにお伝えします。
配属直後に知っておくべきことも正直に書いていますので、ぜひ参考にしてください。
※会社により、損害サービス・損害サポート・保険金サービスなど名称は様々ですが、ここでは「損害サービス」「損サ」と統一します。
- 損サに配属されたばかりで不安を感じている人
- 損サの仕事内容を具体的に知りたい人
- きつい理由と乗り越え方を知りたい人
損害サービスの仕事内容

損サはどんな部署?
損サとは「損害サービス」の略称です。
会社によって「損害サポート」「保険金サービス」など名称は異なりますが、保険金支払いの査定・示談交渉を担う部門という点は共通しています。
損サの中でも部門が大きく2つに分かれています。
- 自動車:自動車保険の支払いを対応
- 火災新種:火災保険・傷害保険・個人賠償責任保険など、自動車保険以外の保険の支払いを対応
この記事では、多くの人が配属される自動車保険の部署についてお話しします。
事故の第一報はコールセンターが受け付ける会社がほとんどです。
損サの担当者は、受付後に配分された案件を引き継ぐ形で対応をスタートします。
- 事故受付後の初動対応(事故状況や怪我の有無、車の状況、修理工場の確認など)
- 修理工場への連絡
- アジャスター(車の損害額の査定人)との連携
- 追突など、契約者の過失100%の事故の場合、相手の損害賠償対応
- 相手保険会社の担当との過失交渉
- 保険金支払いの事務処理
- 怪我がある場合、病院への対応など(基本的に怪我対応は別の担当が付く。年次が上がると怪我対応もするようになるかも)
1日の流れ
朝イチで、前日の業後から朝までに配分された案件を確認するところから1日が始まります。
平日は3〜5件程度ですが、土日明けは10件前後になることもあります。
9時までは外部からの電話がつながらないようになっている会社が多く、その場合はこの時間に静かに仕事ができます。
すでに持っている事案についても、夜間の間にコールセンターやメールで連絡が届いている場合もあり、9時までに優先順位を考えて整理しておきます。
外線が繋がる時間。
新規事故の初動対応をしつつ、すでに持っている事案の入電などがあれば対応していきます。
その後は案件ごとに、契約者・代理店への状況確認、相手方や相手保険会社への連絡・交渉、書類処理・社内調整を並行して進めていきます。
電話が鳴り止まない中で複数の案件を同時に動かしていくのが損サの日常です。
17時までに配分された事案は当日中に初動対応を済ませる必要があります。
(早く帰りたい日や、仕事が溜まっている日は16時半ごろから、新規事故来ないで、とソワソワします)
メガ損保であればこれくらいが就業時間。
外部からの電話が繋がらなくなるので、朝と同様、比較的静かに仕事ができます。
仕事を終わらせて毎日この時間にさっと帰る人もいます。
新入社員のうちは事案も少なく、会社としても早く帰るようにしてくれるはずです。
1年目後半にかけて事案も増えていき、徐々に残業が増える人が多いです。
案件の種類
扱う案件の、大まかな種類をご説明します。
単独事故
- 自宅の駐車場の壁にぶつけた
- バイクで転倒した
相手がなく、契約車両単独での事故を指します。
契約車両の修理費を確認し、保険金支払いの手続きをするのみなので、基本的に他と比べると労力はかからない事案です。
100:0案件
- 信号待ち停止中の車に追突
- 駐車中の車に接触
- 信号無視・センターオーバーによる事故
契約者側の過失が100%の場合は、まず契約者・代理店に事故状況を再確認したうえで、相手方に連絡して修理工場の確認などを進めます。
契約者側に車両保険が付いている場合、車両保険の支払い対応も行います。
双方に過失がある案件
追突やセンターオーバー、赤信号無視など以外の場合はほとんどが過失事案になります。
契約者側に事故状況を確認し、責任割合の移行をヒアリングしたうえで相手方との交渉に進みます。
相手方に連絡して相手の保険会社を確認するか、すでに分かっていれば相手保険会社の担当者と連絡を取り合いながら交渉します。
責任割合は、「判例タイムズ」を参考に進めていきます。
過失割合を考える際の基準となる本です。
過去の裁判例などをもとに、事故形態によって基本の過失割合が示されています。
ゆるこ過失割合は契約者・相手どちらも納得できないことが多く、交渉に時間がかかることが多々あります。
難航しやすいケース
損サの仕事の中でも、特に対応が難しくなるケースがあります。
配属前に知っておくと心構えができます。
無過失主張
双方に責任が発生しているにもかかわらず、相手方が「自分には過失がない」と主張するケースです。
交渉が長引くことが多く、精神的な消耗も大きいです。
「飛び出してきた」「あんなの避けられるわけがない」という主張をよくされますが、こちらも前述の判例タイムズを参考に考えていきます。
相手が少しでも過失を認め、相手の保険会社の担当者を出してきてくれるまでが最も労力のかかりやすい部分です。
責任割合の認識相違
事故の責任をどの割合で負担するかについて、こちらと相手方の認識が食い違うケースです。
どの保険会社も判例タイムズをもとに交渉しますが、どちらかの契約者が納得しない場合はなかなか合意に至らず、交渉が難航します。
保険金の不正請求
- 事故に見せかけて車両保険金を受け取ろうとする
- 実際の損害より過大な請求が来る
など、不正請求と思われる事案も稀に発生します。
上席にも都度報告や方針を確認したうえで、内容を精査しながら慎重に対応する必要があります。
社内の役割分担
アジャスター
車の損害額や保険金の査定は、社内のアジャスターが担当します。
損サの担当者がすべてを一人でこなすわけではなく、社内の専門担当と連携しながら進めていきます。
弁護士
交渉が難航した場合は弁護士に相談することもあります。
また、契約者が弁護士費用特約に加入している場合は、弁護士への依頼を案内することもあります。
損サがきつい理由


クレーム・怒鳴られることが日常
損サの仕事でまず驚くのが、クレームや怒鳴り声の多さです。
事故に遭ったお客様は精神的に余裕がない状態であることが多く、その感情をぶつけられることが日常的にあります。
契約者からは、「なぜ保険金がこの金額なんだ」「対応が遅い」
相手方からは、「契約者が謝ってこない」「責任割合が発生するわけがない」
など、電話越しに怒鳴られることも。
本来、協力関係であるはずの代理店も、募集人によっては保険会社を敵対視している人もおり、慣れるまでは精神的にこたえます。
感情労働の消耗感
損サは典型的な感情労働の仕事です。
どれだけ怒鳴られても、冷静に・丁寧に対応することが求められます。
感情を押し殺しながら対応し続けることで、じわじわと消耗していきます。
特に共感力が高い人や、感情を引きずりやすい人には、この消耗感が積み重なりやすいです。
「お気持ちに寄り添った対応が大切」と言われますが、寄り添いすぎは自分が消耗してしまいます。
表面では寄り添いつつ、心の奥では冷静に対応することが自分を守るために大切です。
繁忙期の業務量
台風・大雪・大規模事故など、自然災害や大きな事故が起きると一気に業務量が増えます。
また、年末年始やGWなど、大型連休直後は新規事案が一気に入ってくるため、必然的に業務量が増加します。
新人のうちは特にきつい
配属直後は、保険の知識・法律の知識・社内システムの使い方など、覚えることが膨大にあります。
知識が十分でない状態でもお客様対応をしなければならず、新人のうちは特にプレッシャーを感じやすいです。
ただし、これは多くの損サ経験者が通る道です。
多くの会社は1年ほど先輩社員が育成担当としてついてくれるので、都度相談しつつ1人で抱え込まないことが大切です。
配属直後に知っておくべきこと
最初の1~2年が一番きつい
損サの仕事は、慣れるまでの期間が特にきついです。
知識・経験・メンタルの耐性、すべてが不十分な状態で現場に立つことになります。
逆に言えば、1~2年を乗り越えると少しずつ余裕が出てきて、楽に働けるようになった、という人もいます。



私の場合は慣れる前に体調を崩してしまったので、「絶対に慣れるから我慢すべき」とは言えません。
自分がどこまで頑張れるか、常にチェックして無理しないようにしてください。
先輩に頼ることを恐れない
損サの仕事は、一人で抱え込むと限界が来やすいです。
難しい案件・クレーム対応・判断に迷う場面では、積極的に先輩や上司に相談することをおすすめします。
「こんなことを聞いていいのか」と遠慮しがちですが、早めに相談する方が結果的に仕事がスムーズに進みます。
損サがつらいときの乗り越え方
仕事とプライベートの切り替えを意識する
損サで長く働いている人に共通しているのが、仕事とプライベートの切り替えがうまいことです。
- 会社を出たら仕事のことは忘れる
- 電話で怒られても、あなたそのものではなく、「保険担当としてのあなた」が怒られているだけ
- 仕事はお金のためと割り切る
完全に切り替えるのは難しくても、意識的にプライベートの時間を作ることが大切です。
怒鳴られても「仕事だから」と割り切る
お客様に怒鳴られると、自分が責められているように感じてしまいます。
しかし、お客様が怒っているのはあなた個人ではなく、状況に対してです。
「これは仕事だから」と割り切る気持ちを持てるようになると、少しずつ楽になっていきます。
仕事ができる先輩の真似をしてみる
職場内で、定時に帰っていて仕事が辛くなさそうな先輩はいませんか?
そういった先輩の仕事の進め方を隣で見せてもらうこともおすすめです。
どのように進めれば仕事が溜まらないか、どのような言い方であれば伝わりやすいかなど、自分が楽になる方法が見つかるかもしれません。
限界を感じたら無理しない
どれだけ乗り越え方を意識しても、心身に限界が来ることはあります。
眠れない・食欲がない・仕事に行くのがつらいという状態が続くようであれば、無理をしないことが大切です。
まずは信頼できる先輩や上司、社内の相談窓口(産業医・保健師など)に相談してみてください。



私自身は無理をしてメンタル疾患に罹ってしまったので、限界前に対処することをおすすめします。
それでも合わないと感じたら
乗り越え方を試しても「自分には向いていない」と感じる場合は、無理に続ける必要はありません。
辛い仕事を無理に続けていると、いつか限界を迎えるかもしれません。






まとめ
損サの仕事は、配属直後が最もきつい時期です。
クレーム対応・感情労働・膨大な業務量と、覚えることが重なるからです。
ただし、最初の1年を乗り越えると少しずつ余裕が出てくる人も多くいます。
先輩を頼りながら、自分なりの切り替え方を見つけていきましょう。
それでも限界を感じたときは、無理をせず選択肢を広げてみることも大切です。









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